トガヒミコの人生が凄惨すぎる…。“普通”に苦しめられ続けた少女。

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PITMIL EDITOR
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現在、僕のヒーローアカデミアは10年間の連載も終盤に差し掛かり、現在ヴィラン連合と各ヒーローたちの最終と思われる決戦が繰り広げられています。

死柄木弔率いるヴィラン連合ですが、彼らはただの悪人ではないことが少しずつ明らかになってきました。メンバーそれぞれが誰にも受け入れてもらえず、孤独で息苦しい過去を抱えているのです。漫画を読みながら、悼たまれない気持ちになったのを覚えています。

今回は、その中でも連続失血事件で追われているトガヒミコの人生について考察していきたいともいます。

社会に受け入れられなかった少女

トガヒミコの個性は他人の血を一定量飲むことで相手と姿に変えることができる「変身」。そして個性の発現と共に、「血が好き」という感情が芽生え始めます。幼少期、可愛いと感じた雀の血を啜ったり、中学時には好きだった同級生を切りつけ傷口からストローで血を啜っていたのです。本人はただ、好きに忠実に生きているだけなのに、トガヒミコの行為は、到底社会に受け入れられるものではありませんでした

筆者

個人的にトガちゃんはとても好きなキャラで、彼女の内に秘めた思いについて気になっていました。

ただ、好きなだけだった。

同級生の殺傷事件から失踪し、ヴィラン連合の一員となったトガヒミコ。もし彼女の「好き」が血ではなかったら、未来は変わっていたのでしょう。例えば、匂いだったら?好きな人のにおいを嗅ぐことは何らおかしいことではありよね。「好きな人の匂いを嗅ぎたい」と「好きな人の血を飲みたい」だと、確かに後者は常軌を逸していますが、本質の「好き」という気持ちは変わらないのに、なんだか残酷な気がします。

“普通”とは人数が多いだけ。

なぜ「普通」になれないのか。トガヒミコは両親にそう言われてきました。しかし、本人にとっての普通が、両親や社会にとって異常だった。自分を受け入れてもらえず、抑え込むのは本当に苦しかったと思います。もし、血が好き」な人が世界の8割を占めていたなら、きっとそれは普通なのに

トガヒミコにとってのヴィラン連合

社会から受け入れられない、いわば異端者が集まったヴィラン連合。トガヒミコもその一員となりますが、初めてありのままの自分を受け入れてもらえたのではないでしょうか。きっと、トガヒミコにとってはようやく巡り合えた自分の居場所だったのだと思います。たとえ犯罪者の集団だとしても。特にメンバーのトゥワイスはトガヒミコをとても好いていて、まるで兄妹のように仲が良かったですね。他メンバーもそれぞれ思いやりあっていたように感じています。

荼毘の優しさ

コミックス30巻に、トガヒミコ自宅で、物思いに耽るシーンがあります。自宅の壁は罵詈雑言であふれ、とても住めるような状況ではありませんでした。その自宅を、荼毘は蒼炎で焼き尽くします。その後、「誰が泣こうが笑おうが平等に明日が来るなら、笑おうぜトガヒミコ」と言います。この荼毘の優しさには泣きそうになりました。

筆者

その前に「てめえのようなイカレ女にも物思いに耽る心があったとはな」とかなんとか皮肉も言ってましたが、何というか荼毘も不器用ですよね…。

まとめ

トガヒミコは、「血が好き」であるがために社会から追放され、ヴィランとなったのです。もし彼女の「好き」が違うものだったら、彼女は苦しまずに済んだのでしょう。しかし、ヴィランといえど、ありのままを受け入れてくれる人々に出会えて心底嬉しかったことでしょう。