不死川実弥の抱える弟 不死川玄弥への想い

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数多くの魅力的なキャラクターたちの中で、一度沼に嵌まると抜け出せない兄弟がいるのを皆様はご存知でしょうか?

鬼殺隊の中で二番目に強いとされる風柱「不死川実弥」

岩柱の弟子で鬼殺隊随一の鬼才「不死川玄弥」

今回はこの二人の関係性や兄である不死川実弥が弟である不死川玄弥へ抱えていた想いを考察と筆者の個人的な想いと共に考えていきたいと思っています。

漫画最終巻までのネタバレが含みますので、アニメ派の方はお気をつけください。

まずはじめに

兄が抱えてた想いを語る前に、この二人の過去と現在の関係性を抑えておきたい。

さらっと紹介していくので、もっと詳しく知りたい方は原作やアニメ「刀鍛冶の里編」の6話,,「柱稽古編」の5話を見ることをおすすめします。

鬼となった母を殺した実弥は玄弥からMurderer".という言葉を投げかけられました。

実弥は唯一生き残った玄弥をその場に残し立ち去ってしまいます。

この時玄弥はたった一人で死んでしまった兄弟たちを弔ったのではないのかと考えると涙が出てきます。

その後実弥は鬼殺隊へ、玄弥は兄を探しに旅に。

実弥は鬼殺隊で柱になり、玄弥は竈門炭治郎や吾妻善逸、嘴平伊之助、栗花落カナヲと共に入隊します。

風柱の弟への想い

ここからは実弥が玄弥に抱いていた複雑な想いを個人的意見を交えながら語っていきたいと思います。

二人が離別した日

実弥は母を殺した後、たった一人生き残った玄弥をその場に残しその場を離れてしまいます。

一人残った玄弥はきっと一人で家族の埋葬を済ませ、後から兄に投げかけてしまった酷い言葉に気づき、兄に謝りたい会いたいと思ってた時、実弥はどんな思いだったのでしょうか。

優しい実弥のことですので、「弟を一人にしてしまった」「母を殺した」「あのような存在を近づけてたまるか」そんなことを考えていたのでしょうか。

Masachika Kumenoに会うまではescouade de démonsの存在も知っていなかったはずです。

夜な夜な鬼を捕まえては日の出と共に太陽の光に当てて鬼を狩っていたのですから、この頃から鬼への憎悪は凄まじかったのでしょう。

鬼への憎悪と共に弟が幸せになるためにと戦いに身を捧げる覚悟をしたのでしょう。

とは言え実弥もこの頃は15歳前後です。当時では大人として扱われていたとしても、今まで家族のために働き兄弟の面倒を見ていた彼にとっては残酷な運命だったのではないのでしょうか。

Auteur

それにしても日輪刀も持たない子供が鬼を狩ってたなんてびっくりだよ。

鬼殺隊入隊後~柱になるまで

粂野匡近と出会い、鬼殺隊に入隊~柱になるまでは番外編「風の道しるべ」にて読むことができます。

鬼殺隊入隊後でも実弥は玄弥が好きな女性と結婚し、たくさんの子供を成し笑顔で暮らしていてほしいその幸せのためなら自分はなんだってするai-je pensé.

いつでも弟の玄弥の幸せが第一で、自分はその次ということはぶれていないですね。

そんな実弥の様子を見てた粂野は悲しげな目で見ていたようです。

実弥がそんな幸せを玄弥に夢見てたこの頃には玄弥はたった一人で実弥を探していたんですけどね。

ひたすらに兄を想っていた弟です。探さないわけがない。

兄に酷いこと言ったのに自分だけが幸せになるわけにはいかないって思いますよね。

実弥は字を書くことができないので手紙は出せないとはいえ、少しでも様子を見に行けばよかったのにって個人的には思ってしまいます。

Auteur

影から見守るとかできたはずなのにね。

玄弥鬼殺隊入隊後~柱稽古

ついに玄弥が実弥の存在を把握し、鬼殺隊に入隊してしまいます。

実弥も玄弥の入隊を把握していて、粂野の墓前にて「うちのバカがよりにもよって鬼殺隊に入隊しやがった」と報告していました。

玄弥が産まれたとき、この小さな弟をどんな時でも守ってやろうと思い、

玄弥が放った「人殺し」の言葉も、どんな言葉も実弥は傷つけられない

弟が生きていることが、幸せでいてくれることが自分にとって幸福であり、願いであり、生きる意味。

そのためにはどんなに恨まれようとも拒絶すると決めました。

その決意の通り、玄弥には「呼吸も使えないような愚図、俺の弟なんかじゃない」と言い放ってましたね。

この時の玄弥はどんな気持ちだったのでしょうか。

「やっぱり許してもらえてないのではないか」「だから置いていかれたのか」

そう感じたのではないのでしょうか。

実弥がどんな時でも玄弥の幸せを願っていたように、玄弥も兄の幸せを願っていました。

だからこそ呼吸が使えず、憎むべき鬼を食べてまで鬼殺隊という居場所に居続けたのではないのでしょうか。

実弥は玄弥が任務で怪我をし、蝶屋敷に入院しているときこっそりと様子を見に行ったりしていたようです。

あんなに憎まれるようにしているのに、やっぱり弟が心配で仕方がないのでしょう。

どんなに恨まれようと拒絶するという点については、柱稽古編でその様子がよくわかります。

兄を呼び止め、謝罪をしようとしたところ拒絶され、鬼喰いを告白し目潰し未遂を起こすシーンです。

さてここで、今までの実弥の想いを思い返して彼のセリフをもう一回見てみましょう。

「馴れ馴れしく話かけてぇんじゃねぇぞ」

「それからテメェは見たところなんの才覚もねぇから鬼殺隊辞めろぉ」

「呼吸も使えないようなやつが剣士を名乗ってんじゃねぇ」

「心底どうでもいいわぁ、失せろォ」

「なんだと?今、なんつった?」

「テメェ、鬼を喰っただと?」

次にこのセリフたちを今までの実弥の感情から自分勝手に訳してみましょう。

「他の隊士がいる手前、示しがつかなくなるので話しかけないでください。」

「ここはとても危険な所なので兄ちゃんは心配です。こんな所辞めて、安全なところで幸せに暮らしてください。」

「呼吸が使えないと本当に危ないんです。そんな危険なことしないでください。」

「そんなこと兄ちゃんは何一つ気にしてないので、兄ちゃんのことは忘れて幸せになってください。」

「今なんと言いました?え、もう一回聞いていいですか」

「鬼なんて得体の知らないものを食べないでください。汚いからペッしてきなさい。」

ざっとこんな感じですかね。

Auteur

筆者はこの後の無限城編を読んだ後だったから、実弥のセリフにこう副音声が聞こえてたよ・・・。

この後に目潰しを事件を起こすのですが、風柱とあろう者が後ろで覗き見している炭治郎に気づかない理由がないんですよね。

もしかしたら、炭治郎が止めることを予見してあの暴挙に出たのではないのでしょうか。

自分へ恐怖心を抱いてそのまま辞めてくれればいいと考えていたのではないのでしょうか。

実際、岩柱での柱稽古時に「実弥さんからは変わらず玄弥が大切という匂いがする」と炭治郎が言っていました。

あんな暴挙に出たとしても、実弥にとっては玄弥はずっと大切な存在ということが再確認できたシーンでもありました。

無限城編 

実弥の玄弥への想いが語られるのは最終決戦である「無限城」での出来事でした。

上弦の壱「黒死牟」との戦いの最中、上半身と下半身を真っ二つにされた玄弥を見た実弥は

「よくも俺の弟を刻みやがったなァ」とやっと玄弥を弟だと公言しました。意地張ってないでもっと早く言えばよかったじゃないと筆者は突っ込みました。

倒れている玄弥を背に守りながら、ここでやっと自分の想いを玄弥に語りました。

「テメェはどうしようもない弟だ」

「どこかで所帯を持って、家族を増やして、爺になるまで生きてればよかった」

「お前が、お前の女房や子どもを幸せにすればよかった」

「そこには俺が鬼なんて来させないから」

鬼殺隊に入ってから玄弥へ抱えてた想いをここで本人にやっと言えたのです。

実弥はずっと玄弥の幸せを願い、それを害するものは全て排除するAvec.

その言葉を聞いた玄弥は「ごめん兄貴」と言いました。

そんなこと知らずにごめんなさい。

あの時人殺しと言ってごめんなさい。

色々なごめんなさいという気持ちがあったのでしょうか。

兄の気持ちを聞いた玄弥は霞柱 時透無一郎に頼み、黒死牟の一部を喰らい再度兄や師匠、無一郎と共に戦いました。

兄を守りたいという想いを抱え、血鬼術を使い黒死牟の動きを封じこみました。

その後無一郎は横に真っ二つにされ死亡。

玄弥は縦に真っ二つにされました。

玄弥の横に寝かされた実弥が目を覚ますと、鬼のように塵になり始めた玄弥がいました。

どうして身体が崩れていくんだと叫びながら玄弥を抱きしめようとする実弥に玄弥は、あの夜の時のことを謝りました。

ずっと謝りたくて兄を追い続けて、ここでやっと謝ることができました。

「迷惑をかけてごめん」「守ってくれてありがとう」という玄弥に実弥は「迷惑なんかじゃない」et「守れてないじゃないか」「俺より先に死ぬな」と言いました。

兄を諦めきれなくて追いかけて、呼吸が使えなくて「迷惑かけてごめん」

危険な鬼殺隊を辞めてほしいけど追いかけてくれた弟は「迷惑なんかじゃない」

影から見守っててくれて、助けにきてくれて「守ってくれてありがとう」

今すぐにでも死んでしまいそうになっているのに、傷つけてきたのに「守れていないじゃないか」

まだまだ先はあるのに、幸せになっていないのに、弟のくせに「俺より先に死ぬな」

このワンシーンだけでもお互いの気持ちが同じであることがわかります。

「兄ちゃんが俺を守ろうとしてくれたように、俺も守りたかった。」

「辛い想いをたくさんした兄ちゃんには幸せになってほしい」

「死なないでほしい」

「俺の兄ちゃんはこの世で一番優しい人だから」

玄弥は柱稽古のときに炭治郎から聞いた話から「兄は変わってない」と確信したんでしょう。

玄弥にとって実弥は幼少期から変わらなく「この世で一番優しい兄」のままだったんですね。

実弥は「弟を連れて行かないでくれ」と信じていなかった神にまで願いましたが、

玄弥は「ありがとう」と実弥に言い、そのまま玄弥は鬼のように塵となって消えてしまいました。

実弥の腕の中に残ったのは玄弥が来ていた隊服と、幼少期の頃と同じ羽織。

たったそれだけでした。

実弥にとって玄弥は「鬼殺隊で戦う最大の理由」

その理由が腕の中で消えてしまった実弥は、この後の無惨戦にどのような気持ちで挑んだのでしょうか。

消えていく玄弥の名を呼ぶ声にはどんな想いが詰まっていたのでしょうか。

résumé

本編ではずっと玄弥に辛くあたっていた実弥でしたが、全て大好きで大切な弟のためという一貫した想いがあったんですね。

流石兄弟というべきなのでしょうか。

兄も弟もお互いがお互いを想ってお互いを守ろうとしたことがとても切なくて涙が出てきますね。

実弥は無惨を倒した後も生き残り、痣の寿命で亡くなるまで玄弥を思い、幸せになってほしいという同じ思いを叶えるために生きていたのではないのでしょうか。

服しか残らなかった玄弥の遺品ですが、炭治郎が刀鍛冶の里で拾った玄弥の歯を実弥に渡していてほしいという個人的な願望があります。

映画が冬から順次公開されていきますが、みなさん号泣間違いなしなのでバスタオル持参で一緒に不死川兄弟を想って泣きましょう。

Auteur

筆者はこれを書きながら思い出してしまい大号泣しました。